慶次を読む 年表
序章~加賀~京都
松風・おふうとの出会い
末森城の合戦で見せた男気
女忍び「螢」と、甲斐の達人「蝙蝠」
義父利久の死を受け、加賀を脱藩
千利休の茶室、家康との邂逅
キリシタン侘助と、摩利支天のご加護
天下人秀吉との対峙
莫逆の友、直江兼続との出会い
「笑う鬼」岩兵衛と、おふうの過去
「鷺」の舞。風魔小太郎との戦い
加奈の慕情。おまつへの愛。

「悪魔の馬」と呼ばれる巨大な馬に一目で惚れ込んだ慶次は、およそ人間を寄せ付けなかったこの巨馬を口説き続けた。そしてついには乗りこなすようになると「松風」と命名。その後、慶次を狙う耳削ぎ願鬼坊にさらわれた少女おふうに出会い、願鬼坊から解放する。心を閉ざしていたおふうがはじめて慶次に笑いかけたシーンは非常に印象的である。

慶次の奇行を疎ましく思い、常に慶次に無理難題を課す義理の伯父利家。そんな中でも慶次は傾き続けることで、かつていくさで名を上げた村井若水や、その息子の陽水から崇められる。彼らを引き連れて、盟友奥村助右衛門を助けるために末森城に向かい、見事佐々成政を撃破。慶次のもとには幼少の頃から慕い続けた、利家の正室おまつから野菊が贈られる。

慶次を狙い続ける加賀忍軍の頭領、四井主馬が送り出した刺客は、類いまれな美貌で男を惑わす女忍者、螢。しかし慶次の自由奔放な生き様に惚れ込んだ螢は慶次退治を断念。生活を共にすることになるが、師であり忍びの達人と呼ばれる蝙蝠への忠義ゆえに自害する。怒りに狂った慶次は蝙蝠との対決に臨み、命を奪うことなく改心させた。

固い絆で結ばれた義父利久の死により、金沢にとどまる理由がなくなり、脱藩を考える慶次。手が凍えるほどに冷えた冬の日に、藩主である利家を招き、水風呂を見舞うという有名ないたずらをはかる。これは脱藩の罪が前田家にかかるのを避けるための配慮であった。かくして金沢を飛び出した慶次。新たなる伝説が始まる瞬間である。

おふうと共に金沢を出た慶次は、港町として栄えた敦賀にて、加賀忍びである捨丸と遭遇。捨丸の申し出により子分として従え、行動を共にすることとなる。その後京都に上った慶次は、天下一の茶人として名を馳せる千利休に茶席に招かれる。そこに同席したのがかの徳川家康。慶次はそこでも粋な男振りを発揮し、家康の心を掴んでしまうのだった。

幼年期に千利休に命を助けられたキリシタン侘助は、秀吉の首を狙った忍びを狙うも失敗。利休への忠義が故に慶次に自分を切るように懇願する。これをきっかけに騒動が巻き起こるも家康の計らいにて収束。慶次はその後の騒乱を避けるために、漂泊の巫女として神格視されていた摩利支天に仕えたおばばを呼び、侘助を摩利支天に模すことでかくまった。

かねてより慶次に会いたがっていた秀吉は、利家を通して慶次に謁見の場につくように要求しつづけた。秀吉を殺すつもりで、慶次は聚楽第へと赴き、髷を横に結うことで平伏を拒否するという傾き振りを発揮。この異常なまでに見事な根性に気をよくした秀吉は、慶次に対してどんな状況においても自由に振る舞うことを許す「傾奇御免の御意」を言い渡した。

夏祭りに訪れた慶次は、優雅なる舞いで人々を魅了するひとりの大男を見る。それこそが後に慶次と運命を共にすることとなる直江兼続であった。その後、偶然にも側小姓の果たし合いにおける介添人として戦の地に降り立った2人は、義を尽くさぬ武士たちに対して激昂し、朱槍を振り回した。それ以降、互いに認め合い、尊び合う仲となった。

夏祭りに訪れた慶次は、優雅なる舞いで人々を魅了するひとりの大男を見る。それこそが後に慶次と運命を共にすることとなる直江兼続であった。その後、偶然にも側小姓の果たし合いにおける介添人として戦の地に降り立った2人は、義を尽くさぬ武士たちに対して激昂し、朱槍を振り回した。それ以降、互いに認め合い、尊び合う仲となった。

秀吉最愛の側室、茶々君はお気に入りの舞い手の死を機に、新人の能の舞い手を公募した。そこで慶次は「鷺」の能を舞い、その純白の衣装は見る者の度肝を抜き、茶々君は亡き織田信長の姿を重ねた。しかし豊臣の重臣が見守る能舞台は、傾奇者同士の果たし合いには最高の場。慶次は刺客、風馬の小太郎より命を狙われるも見事に退けることとなった。

奥村助右衛門は妹、加奈のことで悩んでいた。男勝りの剣の腕を持ち、24歳にして未婚。さらに加奈が惚れているのは慶次だった。加奈はおまつの名を借りて慶次に手紙を書き、心のうちを打ち明けるも、慶次のおまつを思う気持ちは揺らぐことはなかった。この偽の手紙をめぐって、加賀随一の武将、助右衛門が声をあげて泣くという名シーンが生まれている。

花の慶次とは
登場人物
年表
名セリフ集
名場面集

(C)隆慶一郎・原哲夫・麻生未央/NSP 1990, 株式会社コアミックス